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第52章 再起不能

「美和、いいよ。話さなくて」


ヒメは一条さんを見たまま続ける。


「まだ録音中だってのに、ペラペラ喋ってるけどマジでバカなの？
理由なき強制解雇って、罪になるんだぜ？」

「…………！！」


脅しに怯むどころか、その平然とした態度を崩さないヒメに

一条さんは相当頭にきているのか、顔を赤くして声を荒げた。


「……そのボイスレコーダーは、後で必ずぶっ壊す。
お前のその虚言も含めて、全て闇に葬ってやる」


ソファから立ち上がり、興奮しながらヒメに指を突き立てる。


「お前に診断書を渡した、総務の人間の名前を言ってみろ。
協力した他の奴らもだ！
全員首を切ってやる！！」


「………！ 一条さん……そんな……」


一条さんは私を見ると、不気味な顔で笑った。


「……美和、お前も哀れだな。
こんなアホさえ来なければ、職まで失う事はなかったのに」

「……………っ」

「……ふふふ。恥をかかせた罰だ。
俺をバカにしたことを後悔するがいい。
それが嫌なら、今すぐ俺にひざまずいて………」













「ねー、もう入っていい？

待ちくたびれたんだけど～～～」