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片想いの行方
第55章 変わらない2人
「……電話口で聞いた声は、変わったと思ってたけど。
見た目は相変わらずキープしてるな」
突然のヒメの登場にも拘らず、蓮くんは驚いた様子もなく
そう言ってから笑った。
「偶然の再会なら、美和だけで十分だったのに」
「…………!」
蓮くんの言葉にドキッと心臓が跳ねると同時に、ヒメが静かに口を開く。
「本当に偶然かよ。
待ち伏せでもしてたんじゃねーの?」
「……っ ヒメ、違うよ……!」
蓮くんが答える前に、思わず口を挟んだけど
ヒメは私を見ないまま続ける。
「……それとも、今日は蓮も誘ってたわけ?」
「…………!」
……低い声に驚いて、私は一瞬で固まった。
ヒメ………
さっきの……見てた……?
「そうだと言いたいところだけど、マジで偶然。
成田からバスに乗って、さっき着いた」
今度は蓮くんが、私の代わりに答える。
明らかに不機嫌なヒメとは対象的に、連くんは穏やかだった。
「今、一条島送りの詳細を話してたんだよ。
“ それ以外何もしていない ” 」
「………!」
……蓮くん……?
2人を交互に見てオロオロしていると
暫く黙ったまま蓮くんを見ていたヒメが、溜息をついた。
「俺、帰るわ」
「……えっ!?」
ヒメは後ろを向く。
「蓮と3Pなんて冗談じゃねー」