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片想いの行方
第55章 変わらない2人
「……待ち合わせに遅れたのは、ヒメの方じゃない」
「………!」
私の低い声に、ヒメが反応する。
「……お前、いつまででも待つって言ったじゃねーか」
「言ったわよ!
一条さんの事もあったし、私が時間厳守なんて言えるわけないでしょ。
でもヒメが遅刻しなければ、蓮くんに逢わなかった!」
「はいはい、遅刻したのは悪かったよ。
でも俺は何度も電話したんだ。
出なかったのはお前だろ」
「だって気付かなかったんだもん!」
大勢の人が行き交う歩道の真ん中で、ヒートアップする私。
も~~なんだか無性にイライラする!
この低レベルな言い合い。
お互いのあげ足取ってどうするのよ。
とても27歳同士の、大人の会話とは思えない。
でも正直、このイライラは、ヒメが待ち合わせに遅刻したからじゃない。
その理由は………