この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
片想いの行方
第60章 裏HERO
.。.:* side 美和 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*
「おはよ~美和ちゃん」
クリスマス翌日の26日。
始業開始ギリギリで席に着くと、奈々さんが顔を覗かせて近付いてきた。
「ヒメくんが30分くらい前に来て預かったから、ロッカーにかけておいたよ♡」
奈々さんが指さす先に
昨日ジャズバーに忘れたコートが、ハンガーにかけてある。
「……すみません。
ありがとうございます」
「うふふ♡
昨日は楽しいクリスマスを過ごせたのね?」
「………!」
奈々さんはにんまりと笑って、声をひそめる。
「今朝ヒメくんが美和ちゃんのコートを持ってくるし~
いつも出勤の早い美和ちゃんが遅れてくるし~
ってことは……♡
ヒメくんは何も言わなかったけど、色々想像しちゃった」
「……奈々さん……」
私が困ったような顔をしたのを見て、奈々さんは笑った。
「ごめんごめん、私オバチャンみたいよね。
嬉しくて仕方ないのよ~。
社内恋愛になるし、相手はモテ男だもんねっ。
絶対内緒にするから安心して♡」
奈々さんはルンルンと鼻歌を歌いながら、ご機嫌な様子で席に戻っていく。
(……ごめんなさい……)
その後ろ姿を見つめて、心の中で呟く。
胸の奥でズキズキと鳴る痛みを抑えて、パソコンの電源を入れた。
「おはよ~美和ちゃん」
クリスマス翌日の26日。
始業開始ギリギリで席に着くと、奈々さんが顔を覗かせて近付いてきた。
「ヒメくんが30分くらい前に来て預かったから、ロッカーにかけておいたよ♡」
奈々さんが指さす先に
昨日ジャズバーに忘れたコートが、ハンガーにかけてある。
「……すみません。
ありがとうございます」
「うふふ♡
昨日は楽しいクリスマスを過ごせたのね?」
「………!」
奈々さんはにんまりと笑って、声をひそめる。
「今朝ヒメくんが美和ちゃんのコートを持ってくるし~
いつも出勤の早い美和ちゃんが遅れてくるし~
ってことは……♡
ヒメくんは何も言わなかったけど、色々想像しちゃった」
「……奈々さん……」
私が困ったような顔をしたのを見て、奈々さんは笑った。
「ごめんごめん、私オバチャンみたいよね。
嬉しくて仕方ないのよ~。
社内恋愛になるし、相手はモテ男だもんねっ。
絶対内緒にするから安心して♡」
奈々さんはルンルンと鼻歌を歌いながら、ご機嫌な様子で席に戻っていく。
(……ごめんなさい……)
その後ろ姿を見つめて、心の中で呟く。
胸の奥でズキズキと鳴る痛みを抑えて、パソコンの電源を入れた。