この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
片想いの行方
第60章 裏HERO
………美和にとって、困惑しないことは何だろうと考えた。
本当の想いを告げない事
彼女を見守る事
結局、俺ができることは、この2つだって事に気付いたんだ。
なんつーか、本当の愛っていうやつ?
……まぁ、違う気もするけど
俺自身、自分が未来に進む為に、偽ることも大事なんじゃねーかと思い始めた。
この判断が正しいかどうかなんて、もう考える必要もないだろう。
「……色々と冗談言ったり、誤魔化してばかりで。
お前はその度に戸惑っていたと思うけど。
これが俺の本心だから」
「……ヒメ……」
美和は放心したまま、俺を見つめ続ける。
(………安心しろよ、美和)
俺は心の中でそっと彼女に告げた。
“ 蓮との恋を応援し、見守る ”
同じ会社に勤めて、蓮と俺が親友でいる以上、俺達はどうしたって関わなきゃいけない。
そんな美和にとって、1番安心できて、落ち着く関係。
それを演じる事が出来れば、俺は美和を失うことなく、その笑顔をこの先も見続けられる。
陰ながら好きな女を支える、裏のヒーロー。
俺、最高にかっこよくね?