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片想いの行方
第61章 真実の想い
.。.:* side 美和 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*


夜の10時。

蓮くんと夕食を食べた帰り、駅までのメイン通りを1人で歩く。

年末最後の金曜の夜、多くの人が街に溢れる中、私は俯きながら足を進めていた。



食事の後、蓮くんは残りの仕事を片付ける為に、また会社に戻っていった。

明日はそのまま出国するから、年内に会えるのは今日が最後。

激務の中、私の為に逢ってくれたことが凄く嬉しくて

マンションに来ていいよって言ってくれたけど、彼の体調が心配だったから

年始にまた逢う約束をして、今夜はこのまま帰ることにした。


「…………」


駅のロータリーで立ち止まり、そっと自分の唇に触れる。

………別れ際の優しいキス。

今でも、胸のドキドキが続いている。


そのドキドキと比例するように

今日の夕方、会社の屋上で

夕陽に照らされて微笑んだ、もう一人の彼の言葉が

私の心に繰り返し響いていた。
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