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片想いの行方
第64章 片想いの結末

家の鍵を取り出して、部屋のドアを開けながら

ヒメは溜息をついた。


「……ごめん」

「……えっ!?」

「今日、年内最後のライブで。
帰るまで携帯見てなかった」

「……い、いいよ。
連絡もしないで、いきなり押しかけて来たのは私だし……」


ヒ、ヒメが謝るなんて……///

なんだか、それだけでドキドキしてしまう。


「私……待ってる間、全然平気だったよ」


リビングに入り、振り向いたヒメに向けて続ける。


「ヒメに逢ったら、どんな言葉から言おうかなって……
私が想いを伝えたら、どんな顔するかなとか……
色々考えてたらドキドキしちゃって、あっと言う間だった」


ヒメが私の髪をふわふわのタオルで包み込む。

髪と同じ茶色い瞳が、私を真っ直ぐ見つめてきて

私は自然と微笑む。


「だから、ぎゅっとしてくれて嬉しかった。
……想いが相手に届くって、こんなに幸せなことなんだね……」

「……………っ」


ヒメが少しだけ体勢をかがめたと思うと


「ちょ、ちょっと……!」


私はそのままヒメに抱きかかえられた。
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