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異常性愛
第30章 潤む瞳
『ふぅん。でもおっきくしたんでしょ?』
『うん、だけどできなかった。
妹みたいで、できなかった。』
『大事に思っちゃったんだ。
ディー、
あたし、その方がやだ。』
優子は頬を膨らませ、唇を尖らせた。
今までなら、ここでキスができた。
私にできたのは溜息をつくことだった。
『まぁ、そうかもしれないな。
真美ちゃんは正直でいい子なんだ。
不器用だけどね。
たぶん先生もそこを見初めたんだ。
先生はあんな人だけど、
真美ちゃんにぞっこんだよ。
でも真美ちゃんは俺を頼ってる。
どっかで居なくならないとね・・。
だから、俺は契約せずに帰ったんだ。』
『じゃ、もう逢わないのね?』
『いや、会う。』
『もう、どっちよ。』
優子はキュッと目を瞑り、テーブルを指先でトントンと叩いた。