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異常性愛
第31章 羽化
優子を抱きしめていた。
腕の中で、身体を引き攣らせて嗚咽する優子が、不憫でならなかった。
なぜ私のような男を好きなってしまったのだろう。
優子は私と再会した湖畔のコンビニに戻りたいと泣くが、そもそもあの出逢いが、優子にとって不幸の始まりではなかったか。
私に出逢わなければ、こんな辛い思いをしなくてもよかったのだ。
湖畔のホテルで涼子が姿を消し、それを追った私は信号とパトカーに足止めされ、先を行く涼子を諦め、コンビニのベンチでタバコを吸った。
そのタイミングで、私の元へ優子が舞い降りてくれた。
母と再会したことも、オフィスパークの高級ホテルで優子を諦められなかったのも、真美に無垢の美を感じ取ったのも、涼子のビデオを見たことも、晶子への愛が日々深まっていくことも、子を授かったことも、全てが優子を苦しめるために、密かに準備された辛酸の伏線だったように思えてならない。