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異常性愛
第13章 塊
ぷりんとした尻を左右に振って、四足でベッドルームにたどり着いた涼子は、窓際のピーコックチェアに¨前足¨を掛けた。
傾げた首をひねり、肩をベロンとひと舐めした後、じっと私に眼を合わせる。
籐細工の照明が涼子に網目模様の影を落とす。
その姿は、茂みから獲物を狙う肉食動物を思わせる。
挑むような眼にキリッとした柳眉を載せ、鋭い視線で威嚇し、そして誘う。
その眼の奥に鈍色を灯らせ、涼子は私を見据えた。
『あれだよ、あの眼。
男のために生まれてきたんだな、涼子君は。』
開業医の寸評は的を射ていた。
男を心底から欲情させる涼子。
私に愛を意識させた涼子とは、違う女がそこにいる。