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異常性愛
第23章 原石と宝石
『優しすぎるんです、大輔さん。』
『い、いや、うぅん、そうじゃないよ。
優しいってこういうのじゃないと思うよ。
真美ちゃんが辛そうにしてて、
声を掛けてあげたいって思うのは、
普通のことだよ。』
『それが私には優しいんです。』
いや違う。
今それを真美に説いても仕方がないが、こんなものは優しさでも何でもない。
同情と哀れみだ。
『そうかな。じゃ、優しいオジサンで。』
『もう一度キスしてください。』
『真美ちゃん、それはちがう・・』
『キス、してください。』
真美は真っ直ぐに私を見つめ、唇を結び、鼻から息をひとつ抜いた。
眼には力が込められている。
私は小さく溜息をついた。
面倒臭い。
それだけだった。