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Moon road〜月への道
第4章 決別
内藤クリニックの医師は女医だった。


綺麗な医師で、優しく微笑んで出迎えてくれた。

が…白衣は羽織る程度で
ラフな感じだった。


診察室はアジアンリゾートな雰囲気の部屋で
バイユール無垢材のソファに低反発素材のマットが置かれ、座り心地がとても良かった。

そこでお茶を飲みながら話した。


とても優しく丁寧に話しを聞いてくれた。


タクヤの生い立ち、育ち方、親との関係、嫁との関係、仕事関係…



タクヤは、話が進み
母親の話になると気持ちが高ぶり
涙が溢れ、号泣していた。


「辛かったんですね。ずっと我慢してきたんですね。」


号泣して、鼻をすするタクヤの傍にティッシュの箱を置いた。



タクヤは行き処のない母への想いや
厳しい祖母に育てられ寂しいと言えなかったこと
タクヤより仕事優先の父親

ずっと抑えられていた気持ちが
面影が、母に似ていて、
優しいりえを母と見立ててしまい気持ちが溢れてしまった。


他の女性には
穏やかでいられるのに
りえにだけは
憎くなったり、恋しくなったり、独占したくなったり



女医はタクヤの話しをじっくり聞いていた。









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