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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
「りえさん、これを着て下さい。」
新井は喪服を用意してくれた。
真っ黒な着物だった。
つい二日前には
艶やかな色留袖を着て喜んでいたのに
今日はこの黒い喪服を着て泣いている…
「こんな…こんな着物着たくないわ…」
自分の視界から喪服が見えない向きにりえは向いた。
そして返事をしないユウイチに話し掛けた。
「色留袖は綺麗で素敵だったし、嬉しかった。ありがとう。でも、喪服はいらなかったわ。」
りえはユウイチの冷たくなった顔を撫でながら
ずっと話し掛けていた。
「お義父さん、寝ているの?桜の花びらで遊ぶ約束したのに…もう、あまり桜もないから、早くしないとなのに…」
子供達はまだ『死』というものが理解出来ないようだった。
タクヤは二人の子供を抱き締めながら
「もう、会えないんだよ。。最後のお別れを言ってきなさい。」
と、二人をユウイチの枕元に行かせた。
「ん?どこかに行くの?お出掛け?お仕事?」
りえは二人をりえの両脇に座らせ
「死んでしまったの。もう会えないのよ。お話しもできないし…遊んで貰う事も出来ないの。でも、ユウナやユウヤの心の中ではいつもお義父さんはいてくれるから。
いつも思い出して…うっうっ…。。」
りえは自分に言い聞かせるように子供達に言ったが言葉が詰まってしまった。
りえは、そのまま涙が溢れ、気持ちが溢れ
泣きが止まらなくなってしまった。
子供達は、母親の様子に死ぬという事は
悲しい事だとは分かったようだった。
新井は喪服を用意してくれた。
真っ黒な着物だった。
つい二日前には
艶やかな色留袖を着て喜んでいたのに
今日はこの黒い喪服を着て泣いている…
「こんな…こんな着物着たくないわ…」
自分の視界から喪服が見えない向きにりえは向いた。
そして返事をしないユウイチに話し掛けた。
「色留袖は綺麗で素敵だったし、嬉しかった。ありがとう。でも、喪服はいらなかったわ。」
りえはユウイチの冷たくなった顔を撫でながら
ずっと話し掛けていた。
「お義父さん、寝ているの?桜の花びらで遊ぶ約束したのに…もう、あまり桜もないから、早くしないとなのに…」
子供達はまだ『死』というものが理解出来ないようだった。
タクヤは二人の子供を抱き締めながら
「もう、会えないんだよ。。最後のお別れを言ってきなさい。」
と、二人をユウイチの枕元に行かせた。
「ん?どこかに行くの?お出掛け?お仕事?」
りえは二人をりえの両脇に座らせ
「死んでしまったの。もう会えないのよ。お話しもできないし…遊んで貰う事も出来ないの。でも、ユウナやユウヤの心の中ではいつもお義父さんはいてくれるから。
いつも思い出して…うっうっ…。。」
りえは自分に言い聞かせるように子供達に言ったが言葉が詰まってしまった。
りえは、そのまま涙が溢れ、気持ちが溢れ
泣きが止まらなくなってしまった。
子供達は、母親の様子に死ぬという事は
悲しい事だとは分かったようだった。