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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
身元も分からないりえに
男性は付き添っていた。

病院に運ばれりえは救急治療室にいた。

「ご主人ですか?」
男性は看護師に尋ねられたが
通りかかりの者で…と、事情を説明していた。

この女性を柵から引き摺り下ろした時
頭を打たせてしまったのかオロオロしていた。

医師が出産したばかりの女性で
貧血で倒れたんだろうと、彼に言った。

彼は安心し、そのまま病院の待合室のソファで
りえが目覚めるまで眠っていた。

りえは気づくとどこにいるのか分からなかった。
柵に登り…
線路に落ちてはいない…

捕まれて…助けられ
帰ろうとして…


りえが起き上がると看護師がりえの元に来た。

りえに住所、名前、連絡先を尋ねた。
りえは、謝りながら答えていた。

男性の存在をりえに伝えた。

りえは男性を呼んで貰った。


男性が近くに来ると彼はホッとしたように笑顔だった。

「本当に、何度もお世話になり…ありがとうございます。」

「ちゃんと、食えよー。じゃあな。」
彼が去ろうとすると

「お礼に改めて伺います。」
りえの言葉に
「落ち着いたら、ランチでも」
そう言い病院を去っていった。


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