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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
りえは、タクヤと話しをしないままでいた。

ユウイチが残してくれた財産はかなりあり
数年働かなくてもやっていける分はあった。

とりあえず、この家を出てから仕事を見つけようと思っていた。


りえは、自分を助けてくれた男性にお礼を言いに出掛けた。
家の近くの洋菓子店で焼き菓子を買い出掛けた。

彼のマンションに着いた。
立派なマンションだった。

入り口で彼の部屋番号を押した。

すると、「どーぞー」と声がし
マンションに入りエレベーターに乗った。

最上階までいき、エレベーターから降りると
立派なドアが目の前で開かれていた。

玄関に彼が現れた。

「わざわざありがとう。で…ランチは…」

「あ…あの、先日はお世話になりました。ありがとうございました。」
りえは頭を下げた。

「お姉さん、綺麗なんだなぁ。こんなに綺麗なのに悩みがあるなんて、贅沢だ!」
そう言い、笑った。

「あの…お口に合うか分かりませんが、これを…」
菓子袋を渡すと

「おー!ここの美味しんだよね。好きだよ。ありがとう。さぁ、あがって。」

「で…でも…」

「暑い中来てくれたんだから、冷たいお茶くらい飲んでって。」

彼はりえの腕を掴んだ。
りえは彼の肘に目をやると、あの時の傷がかさぶたになっていた。



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