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Moon road〜月への道
第3章 結婚
医師が来て、命には別状がないと言った。

ユウイチはホッとし、新井と抱き合い喜んだ。

りえの傍に行くと、
りえは、青い顔をして眠っていた。

りえを新井に頼み、ユウイチは警察に向った。


警察に着き、タクヤを連れて出た。

「りえは助かった」

ユウイチがポツリ言うとタクヤは泣き崩れた。



タクヤは生まれたばかりの時に母を亡くし
父のユウイチは勉強としごに明け暮れ
祖父母はタクヤを可愛がり
いい子にいい子に育てようとした。

タクヤもいい子でいようと頑張っていたが
友達が母親の話をしたり、母親と一緒にいるのを見ると寂しくて仕方が無かった。

「寂しい」を言えずにいつも自分一人で母親を求めていた。

母が亡くなったのは父のせいだと思い
早くに死んでしまった母を憎んでいた。


そんな歪んだ感情が
写真に写る母に面影が似ていたりえを求め
辛さをりえに当たっていた。

りえは優しく美しく
タクヤを包みこんでいて
辛さをりえなら取り払ってくれると思い込んでいた。

いつか母のようにりえが消えてしまうのが怖くて

タクヤはボロボロだった。


疲れ果てたタクヤを
そのまま病院に連れて行った。


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