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第5章 お買い物

まだ奈緒姫の両親が亡くなって一年くらいだ。

うちは家事を引き受けてくれていた祖母が亡くなって四年。
料理は諦め気味だけど、それでも嫌になることはある。

ただでさえ大野家は大家族だし、一戸建ては掃除も大変だよなぁ。

ちょっと所帯染みたことを考えていると、奈緒姫が急に顔をあげた。

何か思い詰めたような表情をしている。

「せ、センパイは、どうして彼女作らないんですか？」

「……は？」