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第29章 体育祭

クラスごとに応援席エリアはだいたい決まっている。
適当に教室の椅子を持ち込んだ奴等が、上に立ち上がって歓声をあげていた。

みんな盛り上がってんなー。
準備してきたかいがある。

自分のクラスのところに行くと、遠野がニヤリと笑った。

「あれ、奈緒姫ちゃんじゃん？」

グラウンドの中央では借り物競争が行われている。
スタートを待つ生徒の中に、奈緒姫の姿があった。

「本当だ」

相変わらず、ちんまりしてて可愛い。