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第39章 父親

「あんたは昔っからツメが甘いのよ。それで断りきれなくなって、周のこと持ち出したんでしょ。都合の良いときだけ使うなんて許せない。そんなんだから周が巻き込まれるんじゃない！」

「ごめん、俺だってまさか興信所使って調べてくるなんて思わなかったんだよ。周には申し訳ないって思ってる」

「周のことを呼び捨てにしないで。養育費も払ってないくせに父親面されるとヘドが出る」

「……ごめん」

二人の攻防を、俺は黙って聞いていた。

俺が生まれる前、母さんとこの忠臣って人は、こんなふうに喧嘩ばっかりしていたのだろうか。
そりゃ上手くいくわけがない。