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第39章 父親

「周、あんた気分はどうなの？　吐き気は治まった？」

母親の言葉に、俺は力なく頷いた。
想像以上に精神力を使ったらしい。
全然平気なつもりだったのに、情けない。

「あんたも父親に会いたかったなら、もっと早く言いなさいよ。別に私、反対なんかしなかったわよ」

「……ごめん」

謝った後で、忠臣さんと同じ謝り方だな、と気がついた。
顔もそっくりだし。

一度も会ったことはないのに、これが親子ってものなのだろうか。

……駄目だ、また気持ち悪くなってきた。