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第9章 VS 和樹

「奈緒姫、おまえ……」

和樹さんの力が弱まってくる。
俺はずるずると床に尻餅をついた。

奈緒姫は泣いていた。

「私、別に、キスされたことは嫌じゃなかったよ。ただ、ちょっとびっくりしただけ……」

ほんのり頬を染めながら奈緒姫は言った。

可愛い。
やばい。
もう抱きしめたい。

いやいや、衝動に負けちゃダメだ。
さっきも俺はそうやってキスしちゃったんだから。