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少年悪魔
第9章 苛立つ心
「そんな可愛いこと言ってると、血ィ吸っちゃうよ?」
「え…っ」
女子生徒が真っ赤な顔になる。
「…なーんてね。ドラキュラってこんな感じ?」
軽い調子に戻った遥斗に女子生徒はけらけらと笑った。
「やだもーっ」


――やめてよ。


あんな軽口のやり取りなんて、どうでもいいことのはずなのに、繭は苛つくと同時に心臓が痛くて痛くて泣きそうだった。
(どうして、ハルが他の子と楽しそうにしてるのを見てるだけで、こんなに苦しくなるんだろう…)
繭はこれ以上遥斗を見ていられなくなり、教室に戻った。
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