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少年悪魔
第15章 苦悩
遥斗は脳天に雷を食らった気分だった。
人間になる?
そんなこと…。
「できるわけがない、って思った?」
遥斗の心を見透かしたように礼也が訊いてきた。
遥斗が頷くと、礼也が喉を鳴らして笑う。
「それができるんだよ。…でも」
礼也の声が真面目なものに変わる。
「人間になるには、さっきも言ったように、ある条件を受け入れなければいけない。…ハルは、それでもなりたい?」
人間なら、この先何度抱いても繭は死なない。
繭を諦めずにいられる。
ずっと繭を愛していられる。
人間になる。遥斗には、魅力的な方法だった。
「…なりたい…」
遥斗は噛みしめるように言った。
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