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少年悪魔
第19章 涙の理由
「術をかける以上、代償は絶対に必要なものだから、人間になる条件は受け入れてもらう必要があったの。二人には、酷な選択をさせたと思っているわ」
「…エリーもそんな風に思うんだね」
遥斗が意外だと言わんばかりの表情になる。
「失礼ね。…まあいいけど」
エリーは開いている窓の枠に足を掛けた。
「じゃあ、私は帰るわね。これでもとっても忙しいから」
エリーはウインクをして、空へ飛び立った。
遥斗も、眠る繭を残して教室を出た。


――またいつか、僕に恋をしてくれますように。


淡い淡い願いを抱いて、遥斗は階段をゆっくりと降りていった。
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