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第12章 幸福と恐怖

「瑠晴…っ！ここじゃ…っん！やだぁ…！」

体は快感に耐えられないが、言葉では拒否してしまう。

「こんなに…なってんのに？ここで止めない方がいいんじゃないの？？」

ーぐちゅっ！くちっ！ー

「っあ！んんーっ！っイク！」

ーガクンっ！ー

「……本当に可愛い奴。好きだよ。」

ーちゅっー

床に腰が付いてしまいそうになるのを瑠晴が抱える。

「ご、ごめん…。」

「優瑠。もっと俺を好きになれよ。」

これ以上好きになったら…。
おかしくなっちゃうよ…。

「私…でいいの…かな？」

気持ちが読めない瑠晴の目。
一気に不安になる優瑠。

「優瑠じゃなくちゃ、あんな男に嫉妬なんてしねーよ。
　俺の方がいい男だろ？」

少年のような、いたずらな表情をする。

「瑠晴…かっこよすぎるんだもん…。」

「ばーか。当たり前だ。優瑠の彼氏なんだから。
　……ほら、ドレス直してやる。」

優しい瑠晴の手でエスコートされていく。

幸せの形ってどんな形なんだろう。

好きなりすぎるのも怖い…

けど、嫌われるのは…もっと怖い。

この幸福な気持ちの裏には、恐怖を感じる何かがあることに、初めて気付いたのだ。