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私と絵のぐと
第13章 過去と現在
数年前、瑠晴はすごく大切にしていた女がいた。

あれは二十代前半、絵も売れずただ毎日を過ごしていた。

そんな瑠晴を支えていたひとりの女性。

「もう…数年経つんだな。」

今、瑠晴の隣で眠っている優瑠を感じながら昔を思い出してしまう。
そんなことを考えながら眠りに落ちていく。



ー瑠晴は、素直だね?ー

この声……。こんなとこにいたのか?

ー私は、素直になれなかった。ごめんなさい。ー

おい…。またそんなこと言って…。

ー瑠晴とは一緒に居れないの。ー

なんでだよ…。

ー二度と会えないよ。私、海外に行くの。瑠晴より夢中になれる、才能にも溢れた人とー

待てよ!…わけわかんねーよ!

ー……さよなら。ー

行くな!



「…………っ!!あー……。…はぁ……夢か…。久しぶりに…あいつの夢を………。優瑠………。」

隣で幸せそうに眠っている優瑠を見ると、ざわついた気持ちが静まっていく。

目の前に幸せがあるのに、どうして過去の夢なんかみたんだろう。

「………そんなこともあったよな…。」

過去の女に捕らわれなくなってから、ずいぶん経つ。
誰かに変わりを求め続けたけど、どの女も違った。

そんな自分自身の気持ちを絵にぶつけると、色んな色が見えてきた。

世間にも認められて、名前も知られるようになった。

あいつを見返してやりたい一心だった。

けれど、今は違う。


「…優瑠。愛してる。」

寝息をたてる彼女に気づかれないよう、額にそっとキスを落とした。
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