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カウントダウン
第5章 ダ
「里香。蒼とはどんな感じ?」

中等部からのメンバーと久しぶりにお昼を食べていたら
そんな事を聞かれた。

蒼くんはなんだか研究の手順を話し合うんだとかで
食堂の少し離れた所で何やら話こんでいる。

イマドキって結構理系にも女子がいるもんだな。

ぼんやりそんな事を考えていたら
美由紀にそう突っ込まれ
視線を自分の席のメンバーに戻したら
意外にも私の返事を目を輝かせて皆が待っていた。

意外・・・でもない、か。

中等部から一緒の私たちからすれば
今でも「みんなの蒼くん」だ。
たとえ、誰かと付き合っていたとしても
蒼くんは本気じゃない。
それはなんとなく周りは気が付いていた。
だから。いつまでも「みんなの蒼くん」だった。

「ん~。フツウ?」

そんな風に答えれば
「なに!普通って!」
とさらに詳しい答えを求められるけど。
「フツウだよ」
そうとしか答えられない。

確かに大事にしてくれる。
私を最優先にしているのも感じる。

けど、私に対する態度は、女慣れしているモテモテの蒼くん、じゃなくて
なんだかあくまでも5年前の蒼くん、なんだよね。
だから私もついつい、今までの元カレと同じように
普通の男の子扱いしてしまう。

「あんなに大事にされてるのに?」
「・・・・」

大事にされてると周りも感じるのか。
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