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カウントダウン
第5章 ダ
「どうしたの?」
手をつないで少し歩いた木陰のベンチに座って
梅雨になりそうな空模様を眺めていた。
「あいつと何の話をしてたの?」
「ん?あぁ。大したことないよ」
「教えてよ。気になる」
「・・・・あいつがいつまでも、自分が私のファーストキスの相手だって言うから
みんながいい加減、昔の話は忘れろって言ってたの」
「―――そっか」
蒼くんは両手で顔を隠してはぁ、とため息とともに大きく息を吐きだした。
「ごめん。俺、余裕ない」
どこまで本気なのか?
このヤキモチさえ、知らずのうちにカウントされているの?
「俺が、里香のファーストキスの相手になるはずだったのに」
それは―――
私も思っている事だよ。
本当に大好きだった。
ファーストキスは蒼くんがいいと思ってた。
お付き合いした時、何度もそう思った。
「過ぎたことだよ」
過去は変えられない。
「里香。一緒に講義をサボろう」
吹っ切って笑顔を見せた蒼くんは
「ずっと一緒にいたくて授業をさぼるカウントだな」
そういってほほに軽くキスを落として
手をつないで校門を抜け出した。
手をつないで少し歩いた木陰のベンチに座って
梅雨になりそうな空模様を眺めていた。
「あいつと何の話をしてたの?」
「ん?あぁ。大したことないよ」
「教えてよ。気になる」
「・・・・あいつがいつまでも、自分が私のファーストキスの相手だって言うから
みんながいい加減、昔の話は忘れろって言ってたの」
「―――そっか」
蒼くんは両手で顔を隠してはぁ、とため息とともに大きく息を吐きだした。
「ごめん。俺、余裕ない」
どこまで本気なのか?
このヤキモチさえ、知らずのうちにカウントされているの?
「俺が、里香のファーストキスの相手になるはずだったのに」
それは―――
私も思っている事だよ。
本当に大好きだった。
ファーストキスは蒼くんがいいと思ってた。
お付き合いした時、何度もそう思った。
「過ぎたことだよ」
過去は変えられない。
「里香。一緒に講義をサボろう」
吹っ切って笑顔を見せた蒼くんは
「ずっと一緒にいたくて授業をさぼるカウントだな」
そういってほほに軽くキスを落として
手をつないで校門を抜け出した。