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監禁DAYS
第3章 今だけ傍にいて

 後ろの正面だあれ?

 眼を覆っては笑いながら。
 美香を殺したのはだあれ?
 世界をぐるぐる見回しながら問いかける。
 けど美香は私に凶器を向けるのだ。
 夢の中で。
 それはどういう意味なの?
 ねえ、美香。
 どういう意味なの?

「おい」
 一郎の声がする。
 鳥の声も。
 廊下から柔らかな光が差し込む中、此方を見下ろす影。
「そろそろ十二時間だぞ? 死ぬんじゃなかったのか。依存症とやらで」
 からかうような声で。
「……んん。そっちこそ……次はどの五感失うかわかって言ってるの?」
「ちげえよ、バーカ」
 手錠と足の縛りで体中が痛い。
 よじよじとみっともなく身をくねらせて起き上がる。
 まだ瞼が重い。
 朝の何時なのだろう。
 ぼんやりと瞬きを繰り返す。
「雨、止んだのね」
「ああ」
 スタスタと部屋の中央に行くと、テーブルから何かを持ってくる。
 湯気を立てるそれを両手で受け取ると、カップに入ったココアだった。
「……チャイティの方が良い」
「体にかけるぞソレ」
「ココアプレイかあ……蝋燭より痛そうだね、やばい」
「早く飲め」
 ふー、ふーと息を吹きかけて落ち着く香りと共に喉に下す。
 甘さが脳まで伝わる。
 美味しい。
 寒い朝のココアは、至極美味だ。
 ギシ、と一郎が椅子に身をよりかける。
「曖昧なんだな。セックス依存症ってのは」
「なあに?」
「あの時間から既に十三時間経ってる」
 勢いよく吸ったせいで舌先を火傷しそうになる。
「へえ。そっか」
「へえ、じゃねえよ」
「二十四時間の間違いだったかも」
 無垢に笑う美月に一郎が項垂れる。
 手を払うようにしてココアを飲みきれと指示する。
 二日目の朝。
 男と女は昨夜とほぼ変わらない立ち位置で一日を始めた。

 カップが室温になりかけた頃に一郎が呟く。
「なんでそんな落ち着いてられるんだ?」
 足を伸ばしてストレッチをしながら微笑む。
「んー。誘拐? 監禁? 知らない男とセックス?」
「全部だ」
 痛気持ちイイところで身体を伸ばす。
 快感に似ているものがあるよなあ、ストレッチって。
 イケないけど。
「慌てたら貴方は解放してくれるの?」
「そういうんじゃなくてだな」
「五日間だもの。気を張ってちゃ持たないじゃない?」
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