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crazy night
第9章 絡まる糸
この日、有紗は士郎との約束の仕事を終えた。
時間は20時を過ぎたところだった。
あとは現場に図面を落とすだけ…
ただこの仕事を終えてしまうと、士郎は同じ職場から居なくなってしまう。
自分にとって、士郎は一体何なのか
雄二への想いがとげられず、士郎の好意に甘えているだけなのではないか
そもそも士郎の好意さえ本当かどうかも怪しい
もしかすると訴えられないために口からでまかせを言っているのではないか
人間不審に陥りそうだ…
昨日の夜を思い出す…
とろけそうになる温かいキス
優しくゆっくりと伝わる鼓動
「はぁ…」
何を想像しているのか。
少し自分に呆れて軽くため息をつき、目を閉じる。
コンコンッ
机を何かでコツかれる音にハッとして目を開ける。
シルバーのペン…
はい、と渡すように差し出してきたのは雄二だった。
「製品棚のとこに落ちてた。有紗ちゃんのだろ?」
有紗は突然の事に目を丸くする。
あれから何度か探しに行き、清掃の人に聞き回っても見つからなかったペン…
「ぁ、ありがとうございます」
どこに落ちていたと言うのか、不思議そうな顔をする有紗。
「お気に入りのペンだったんだよね?見つけて来たご褒美に今週末、俺のためにあけててくれないかな」
有紗がこんなにも強引な雄二は初めて見るのだった…
時間は20時を過ぎたところだった。
あとは現場に図面を落とすだけ…
ただこの仕事を終えてしまうと、士郎は同じ職場から居なくなってしまう。
自分にとって、士郎は一体何なのか
雄二への想いがとげられず、士郎の好意に甘えているだけなのではないか
そもそも士郎の好意さえ本当かどうかも怪しい
もしかすると訴えられないために口からでまかせを言っているのではないか
人間不審に陥りそうだ…
昨日の夜を思い出す…
とろけそうになる温かいキス
優しくゆっくりと伝わる鼓動
「はぁ…」
何を想像しているのか。
少し自分に呆れて軽くため息をつき、目を閉じる。
コンコンッ
机を何かでコツかれる音にハッとして目を開ける。
シルバーのペン…
はい、と渡すように差し出してきたのは雄二だった。
「製品棚のとこに落ちてた。有紗ちゃんのだろ?」
有紗は突然の事に目を丸くする。
あれから何度か探しに行き、清掃の人に聞き回っても見つからなかったペン…
「ぁ、ありがとうございます」
どこに落ちていたと言うのか、不思議そうな顔をする有紗。
「お気に入りのペンだったんだよね?見つけて来たご褒美に今週末、俺のためにあけててくれないかな」
有紗がこんなにも強引な雄二は初めて見るのだった…