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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第4章 02 SceneⅡ(ジューン・ブライド)
美月はとうとう恐怖のあまり、朝までまんじりともできなかった。東の空が白々と明け初(そ)める頃、美月は漸く再び眠りに落ちた。
幸運にも、あれから物音はすぐに止んだ。夜明けに少し間がある頃、玄関のチェーンが外される音がし、人が確かに出てゆく気配があったから、今度こそ晃司が出ていったのだろう。
眠りの中で、美月は夢を見た。
黒い巨大な影にどこまでも追いかけられ、やがてついには呑み込まれてしまう怖い夢だ。
幸運にも、あれから物音はすぐに止んだ。夜明けに少し間がある頃、玄関のチェーンが外される音がし、人が確かに出てゆく気配があったから、今度こそ晃司が出ていったのだろう。
眠りの中で、美月は夢を見た。
黒い巨大な影にどこまでも追いかけられ、やがてついには呑み込まれてしまう怖い夢だ。