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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第5章 ☆♯03 SceneⅢ(SeaSide~海辺にて~)☆
小さな声で礼を言って、ひと口含んだ瞬間、ほのかな苦みが口中にひろがり、不審を憶えた。だが、砂糖なしのコーヒーであれば、こんな味がするのかもしれない。
本当は優しい人なのかもしれないのに、どうしても心から打ち解けられず身構えてしまう自分がとんでもない冷たい女に思えてきて、情けなくなった。
そんな想いを振り切るかのように、缶コーヒーを続けて飲む。ほどよい温もりが喉をすべり落ち、疲れた身体中にじんわりとひろがってゆく。
本当は優しい人なのかもしれないのに、どうしても心から打ち解けられず身構えてしまう自分がとんでもない冷たい女に思えてきて、情けなくなった。
そんな想いを振り切るかのように、缶コーヒーを続けて飲む。ほどよい温もりが喉をすべり落ち、疲れた身体中にじんわりとひろがってゆく。