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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第6章 ☆♯04 SceneⅣ(情炎~JOUEN~)☆
この女将は、嫁いできた人だ。父もしばしば、ここを隠れ宿として利用することから、旅館の女将初め従業員たちは晃司を父と区別して今も〝若旦那〟と呼んでいる。
本社ビルのあるK町からも適度に離れている鄙びた旅館は、秘密の商談、会合にも利用され、押口家の一族がマスコミなどから隠れてゆっくりと静養するには持ってこいの場所なのだ。それでなくとも、政財界に強い影響力を持つ押口家の人間たちは、その動向が逐一、マスコミに眼をつけられやすい。
本社ビルのあるK町からも適度に離れている鄙びた旅館は、秘密の商談、会合にも利用され、押口家の一族がマスコミなどから隠れてゆっくりと静養するには持ってこいの場所なのだ。それでなくとも、政財界に強い影響力を持つ押口家の人間たちは、その動向が逐一、マスコミに眼をつけられやすい。