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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第6章 ☆♯04 SceneⅣ(情炎~JOUEN~)☆
潤んだ瞳で哀願する美月を冷たい眼で眺め下ろしていた晃司がポロシャツの胸ポケットから、やおら何かを取り出した。
「これは、どういうことだ?」
一枚の紙切れを眼の前に突きつけられ、美月は雫の宿った瞳を力なく動かした。またたきした瞬間、露を思わせる滴がはらはらと零れ落ちる。
「あ―」
晃司が持っているのは離婚届だった。美月が記入して自室の引き出しにしまっておいたものである。