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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
 美月が講師のバイトを務めていた時分、勇一は確か中三だったと記憶している。まだ弱冠、十五歳ながら、地に足の着いたしっかりとした少年だと感心したこともよく憶えていた。
 当時、勇一は将来、父のような世界各国を股にかけて活躍する商社マンになりたいと夢を語り、その実現のために英語の勉強を頑張っていた。わずか十五歳の中学生がはや、将来の夢や目標を持ち、それに向かって邁進する姿に、美月は自分が恥ずかしくなった。
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