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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
 それよりも前に、まず何をしたいという意欲もエネルギーも失ってしまった。
「金田君―」
 勇一の顔を見ていると、愉しかった良き日々を思い出し、様々な想いが溢れてくる。
 美月は懐かしい名を呼ぶなり、絶句した。
 美月の瞳からひとしずくの涙がぽろりと零れ落ち、後は、堰を切ったようにとめどなく溢れた。
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