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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
〝二番目の親父〟という言葉が今の勇一の精一杯の心―義父を父親と認めようとする気持ちを表しているようだった。母親の再婚相手を庇おうとするその優しさは、いかにも勇一らしいもののように思える。
「そう、だったの。本当にごめんなさい。私ってば、全然知らなくて」
美月がなおも謝罪の言葉を口にすると、勇一は笑った。
「何も速見先生が謝ることはないよ。これは俺んちの事情だもの」