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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
もし、自分もいつか遠い未来、本当に結婚するとしたら、白石さん夫妻のように穏やかで笑いの絶えない家庭を築けたら―、美月は二人のいかにも仲睦まじい姿を目の当たりにして、そんなことを考えたものだった。契約などという馬鹿げた形式で繋がっただけの夫婦ではなく、互いに必要とし合い、心から愛し合える、ただ一人の男性とめぐ逢いたい。
たとえ、ささやかで慎ましい暮らしでも良い、贅沢なんてできなくても良いから、真実の、本物の愛で結ばれて結婚したかった。
たとえ、ささやかで慎ましい暮らしでも良い、贅沢なんてできなくても良いから、真実の、本物の愛で結ばれて結婚したかった。