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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
「俺たちがよっぽど困ってるように見えたんだろうな」
 誤解されたというのに、勇一は気を悪くする風もなく、むしろ嬉しげに明るく笑っている。
「そうだ、肝心なものを忘れてた」
 勇一が笑いをおさめ、傍らの紙袋から小さな包みを取り出した。そういえば、この紙の手提げ袋はアパートを出るときからずっと彼が後生大切に持っていたっけ。
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