この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第9章 ♯06 SceneⅥ Autum Park
産婦人科病院からマンションまでは歩いて十数分程度の距離になるだろうが、美月には、あの頃、子どもを生むといった考えなど全く頭になかった。病院の存在どころか、名前すら知らなかったのだ。
あれからまだ二ヵ月余りしか経っていないのに、随分と長い時が流れたように思える。
十一月を迎えた公園は今、秋たけなわだ。
あの頃、美月が座って蝉の音(ね)に耳を傾けた木陰のベンチは今も変わらず、同じ場所にあった。
あれからまだ二ヵ月余りしか経っていないのに、随分と長い時が流れたように思える。
十一月を迎えた公園は今、秋たけなわだ。
あの頃、美月が座って蝉の音(ね)に耳を傾けた木陰のベンチは今も変わらず、同じ場所にあった。