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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第9章 ♯06 SceneⅥ Autum Park
 秋の陽を受けて、勇一の持つ指輪(リング)が煌めく。
勇一は、美月の手を取り、そっと左手の薬指に指輪をはめた。
「―綺麗」
 美月は、感嘆の溜息を零すと、その指輪に魅入った。海の色を閉じ込めたような小さな透き通った石は、アクアマリンだろうか。
「実は、この指輪は俺の親父がお袋にプロポーズしたときに贈ったものなんだ」
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