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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第3章 ☆♯01 SceneⅠ(紫陽花の庭)☆
☆♯01 SceneⅠ(紫陽花の庭)☆
その日、美月はいつもより大幅に寝過ごしてしまった。トースターで焼いたパンを口に押し込みながら、美月は恨めしげにリビングの壁時計を見た。今、7:30。いつもなら、とっくに地下鉄に揺られている時刻だ。
だが、と、慌てて思い直す。三十分程度の遅れなら、取り返せないことはない。このまま家を飛び出てダッシュすれば、いつもの時間の次に来る電車に間に合うはず。