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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第10章 ♯07 SceneⅦ(Christmas Calender)
「フン、手間をかけさせる。あれだけ膚を合わせ身体を重ねて少しは気持ちがほぐれたと思っていたのに、俺の眼を盗んでまんまと逃げ出すとは、全く強情な」
彼の中で、度し難い怒りが渦巻く。
美月が部屋に置いてあった果物ナイフで自らの手首をかき切ったあの日、晃司は眠っている美月を一人残して、一旦は部屋を出た。
彼を神のように崇めている有能で忠実な秘書に居場所を知らせるためだった。