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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第4章 02 SceneⅡ(ジューン・ブライド)
美月はといえば、あんな男とたとえ一瞬でも唇を触れ合わせるのはご免蒙りたかったけれど、まさか、そんなことはできるはずもない。だが、晃司の方も心得たもので、口づけはごく儀礼的なもので、ほんの一刻(いつとき)、掠める程度のものであった。
この分では、結婚後も契約どおりの生活が続いてゆくのだろう―と、美月は安心していた。胡蝶蘭をあしらったブーケを持つ美月にぴったりと寄り添うように晃司が佇んでいる。白いタキシード姿の花婿の胸ポケットにはブーケとお揃いの胡蝶蘭のブートニア。
この分では、結婚後も契約どおりの生活が続いてゆくのだろう―と、美月は安心していた。胡蝶蘭をあしらったブーケを持つ美月にぴったりと寄り添うように晃司が佇んでいる。白いタキシード姿の花婿の胸ポケットにはブーケとお揃いの胡蝶蘭のブートニア。