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いつもの場所で
第4章 遠距離恋愛
そう言うと、太郎は紗江を抱きしめた。
紗江は太郎の胸の中で泣いた。
ひくひくする紗江の背中を優しくさすり、ポンポンと赤ちゃんをあやすように、太郎は背中を叩いた。
2人の別れを惜しむように雨が降って来た。
ドンドンと雨風がキツくなり、2人を包んだ。
太郎は無言で紗江の肩をつかみ、
「お別れのキス」
と言って、紗江のおでこに長いキスをした。
そして、去り際、短いキスを紗江の唇にすると、無言で去って行った。
雨風がキツく、桜が舞っていた。