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第5章 旅

そんな4年も前のことでも、映画のワンシーンのようなこの出来事が、昨日のことのように太郎のことがずっと心の中にあった。


このことは貴史も眞人も知らない。



あの日以来、太郎とは連絡を取っていないけど、Facebookで近況は知っていた。


太郎が何かをアップする度、さえは胸が締め付けられる思いだった。


Facebookのページに上がってくる彼の写真は、4年前に比べ、精悍な顔つきになっていた。



カナダから帰国後、日本で飲食店のコンサル業につき、今は中国の日本食店でコンサルティングをしているようだ。