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いつもの場所で
第5章 旅

紗江はビールが飲めなかったけど、この会社で働き出してから、少しばかり飲めるようになった。


それを矢作はよく知っていたから、彼は自分の一杯を一気に飲み干すと、
紗江の残ってる8割ほどのビールの半分以上を自分のグラスに移すのだ。


もし、紗江がまだビールを飲みたくても新しく頼んで冷たいビールを紗江に飲ませたいのだった。



そういうスマートな振る舞いも、紗江を惚れさせている行動の一つだった。


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