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ねぇ、しよっ!
第5章 指
バイト中も、男を漁るような千尋に、さすがにマスターも呆れ果て、いつしか口をきかないようになっていった。

必要最低限度のことしか話さないマスターの態度は、千尋を不安にさせ、その反動でますますセックスに溺れさせた。


『もうダメだ。悪いが、千尋を誘惑してくれないか…』

マスターは、親友に、千尋の目を覚まさせるための「罠」を頼んだ。

『わかった。今夜…か?』

そして、それは実行された。


『びっくりだよ、誘ってくれるなんて。真面目な人だと思ってた。』

『僕は真面目だよ。真面目に誘って、真面目にちいちゃんを抱きたいって思ったんだよ。』

『………。』

『どうしたの?ねぇ、しよっ!って言わないの?』

『…なんだろう…あたし、汚れてる…抱きあっちゃいけない気がする…』

『なんで?』

『わかんない…でも、あたしの中で、遊ぶな!って言ってるあたしがいる…』



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