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ねぇ、しよっ!
第6章 千尋の交錯
千尋はたばこに火を点けると、深く吸い込み「ふーっ」と吐いた。

『ねぇ滋…あたし、滋のこと好きなのかなあ…』

『たぶん違うね。俺は小学生の時からずっと千尋が好きだったけど、知らなかっただろ?』

『うん、びっくり。』

『今さあ、千尋が俺を好きかもしれないと思ったのは、俺じゃなくて、俺のセックスが好きだっただけだよ、きっと。』

『あたしの好きの基準はセックスなの?』

『まさか。気持ちだよ。好きっていう感情。』

『そ、そうだよね!あは、何言ってんだろ、あたし。』

『さあね!』

滋にはわかってしまった。
千尋は、セックスが好き過ぎて、セックスの相性がいい奴を「好き」と勘違いしてるってこと。
本当に男を好きになる、ってことをわかってないって。
もしかしたら、今、わかりかけてきているんじゃないか?ってこと。

だから、滋は言った。

『俺、これから忙しくなるから、たぶんもう、千尋に会えなくなる。自分を大事にして、自分を可愛がってやれよ。じゃあ、俺、帰るな(笑)始発の時間だ。』



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