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ねぇ、しよっ!
第9章 愛と悦楽
マスターの代わりに話し相手に来た雄二だったが、あたしには、拒否反応が出てしまった。

雄二さんはいい人で、雄二さんに罪はないのだが、今の千尋には、過去に関係を持った男性で受け入れられるのは、マスターだけだった。

千尋の中で、千尋の過去を消してしまいたい気持ちが大きく、そのために過呼吸を起こしてしまったようだった。

『千尋ちゃん、今日は帰るね。ごめんね、辛い思いをさせてしまって。』


『ねぇ…もう少し…居て…』

『えっ?!大丈夫か?』

『うん、たぶん。マスターのこと話して。』

親友の雄二は、小学校からの友達で、マスターのことは良く知る男だ。

マスターの幼年期から今までの話を、千尋にとって差し障りのないところをたくさん話してくれた。

久しぶりにいっぱい笑った。
お茶目なマスター
やんちゃなマスター
真面目なマスター
一生懸命なマスター

いろんなマスターが、あたしの知らないマスターがいた。



そんな千尋を見て、雄二は思った。

ちいちゃん、マスターだけの女で居られたら心身共に安定して、最高に幸せでいられるんじゃないか?! と。



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